クロノファン2020

主に二次創作置き場

二次創作 『クロノブレイク』クロノトリガー

ネットに出回っている創作動画『クロノブレイク』

https://youtu.be/w3SU5dDBwCI

からインスピレーションを得て書いたもの。

■ジャキのタイムトラベル

時の最果てに滞在している間はどの時代からもクロノ達は消失している。世界はクロノ無しで時が進んでいる。
たとえば古代でクロノが殺された後、最果てに滞在している間は、母ジナの人生はクロノ無しで生涯を終える。クロノを助けに未来の死の山に行くなら、その間にジナは哀れな人生を送ったということになる。

他にも問題がある。
クロノ達が古代でラヴォスを倒したなら、983年に生まれるクロノはラヴォスに出会わない人生を歩む事になる。、だが古代にてクロノ達がジャキに出会った歴史は事実として成立している。もしこの世界線にて中世時代のジャキが古代BC12000のラヴォスが生きていた時代にタイムスリップしたとするなら、クロノ達がラヴォスと戦っている姿を観測できるだろう。この物語はそんな物語。

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 ジャキは小石を投げた。
 空間の歪に石が吸い込まれる。歪が消えてしばらくして、またそこに歪が現れて先ほど投げ入れた石が帰ってくれば石は未来へと飛んだ事になるだろう。

中世時代、少年魔王ジャキは暗黒系魔法(ダークマター)の応用実験をしていた。小さいながら時空を歪ませる作用があり、この技術からタイムゲートを生み出せないかと思案していた。

「だめだ、できない…」

ジャキの仮説では擬似的なタイムゲートなら作れた。

空間に速度変化(ヘイストやスロウ)をかけるとその空間だけ時間の流れが変化する。

空間をスロウ化させると、その空間の時の流れが遅くなり、そと側の時間と比べて置き去りになる。つまり、その空間から外の世界は未来になっている。

理論上、過去に戻ることはできない技術ではあるものの、やり方次第で未来に飛ぶ事はできる。

(時を遅くしたり早回しできる魔法はあるのに、なぜ巻き戻せる魔法が存在しないのだろうか…)

ジャキにはなんとなく答えが見えていた。
今の自分を一秒前にタイムトラベルさせたとしたら、その世界にはもう一人の自分がいてその時自分と重なり合う。物理的にいえば突然衝突し合う格好になり、爆発したりして死ぬかもしれない。

時を進めるのと戻す行為は構造的に反作用関係にあるから、どちらか一方ができるなら反対もできるはず。ジャキはそう考えていた。

時を進められるのなら戻せるはず。だからと、やろうとしても全く魔法が発動する気配はない。


時を戻す行為について、たった一秒だけ戻せるとしても本能的に身体が危険だと察知しているのかもしれない。人間の身では防衛本能的に過去に行く事は不可能なのかもしれない。

ジャキは考えた。一秒前に戻るとしてその時の自分と重なり合う危険性がないこと。つまり『一秒前の自分と重なり合わない安全』が保証されているのであれば、時戻しの魔法を観測できるかもしれない。

走ったり移動したりの最中に一秒前の過去に飛ぶなら、もう一人の自分と重なり合う危険性は大きく下がり、時戻しの魔法を発動させられるかもしれない。

練習の結果、ちょっとしたテレポートの様な現象を生み出す事はできたが、そこからが難問だった。
数秒の時戻しならともかく、何年も過去へ行くとなると大量の魔力が必要になる。魔法陣から魔力の供給を得るとしても魔法陣を含めて高速に移動しながらでないと成立しない。だが魔法陣そのものを空間や地面に固着させた状態で高速移動させるにも大量の魔力が必要であり、実行は現実的ではなかった。

できれば過去に戻てやり直したいジャキだが、その方法は見当もつかなかった。

(もし過去に戻る技術があるのなら、未来から自分が戻ってきてそのやり方を教えてくれるのではないか?)

ジャキは過去へ行って姉を探すのは諦め、未来へ行く方向から姉を探せないかと考えた。
姉も自身と同じ様にタイムゲートに飲み込まれ、未来に飛ばされているかもしれない。

(姉はラヴォスの生み出した時空の歪みに飲み込まれて死んだのか、それとも自分の様に別時代に飛ばされたのか、もし生きているなら助けたい…もし死んでいるなら…)

ジャキは特大の魔法陣を描いた。
大きな魔力が継続的に必要であること。誰にも邪魔されず、物理的な干渉も受けず、視認すらされない様、術式を施した。

ジャキの発動した擬似的タイムゲートにより、ジャキの周りの時が急速に進む。
日が登り日が沈みを一秒単位で繰り返される。

ジャキはどのタイミングでゲートから出れば良いか判らなかった。

サラが近くにいるなら魔力を感知できるだろう。サラが自身を探してるなら感知して貰えるだろう。ジャキはそう思い辛抱強く待った。

何年、何十年、、景色が大きく変わっていく。
長い時の中で魔王城は朽ち果てる。人間達が来て破壊していき、森の大半は伐採され、海面は上昇しジャキの足元の陸地は殆どが海に沈んだ。

ジャキが施した魔法陣は空間に固着されて描かれている。足場が無くなったとしても問題がない。

数百年経ち、ある時から人々は何もない海辺に船の停留所を作り始めた。
ただの停留所ではなく、近隣の大陸との交易を効率的にする為の取引所の様なものだろうか。
ただそれだけでもなく、鉄の生き物が出入りを始めた。
ジャキにはその鉄の生物に見覚えがあった。

ラヴォスに飛ばされる前に出会ったクロノ達、そのメンバーの中にロボがいた。
クロノの存在はジャキにとって特別に記憶に残っていた。ジャキにとってクロノ達の風貌は不可解かつ異質な存在。どこから来たのかも判らない。疑問せずにはいられない存在だった。

人の運命、特に死期がある程度わかるジャキだった。
古代にてクロノの死期は感じとれても、サラの死期は感じ取れなかった。ジャキにとってこのことが唯一サラがとこかで生きていると信じる材料になっていた。

ジャキは過去を懐かしむでもなく、ただ未来を見据えていた。
そしてこの時に降りる。
鉄の生物の存在。単純にこの時代に何か手がかりがある気がした。
この場所がサラへと繋がらない時代だとしても、クロノへの疑問が一つでも解ければ、何らかの道が見つかるかもしれない。

ジャキは1050年、千年祭から50年後の未来へと来ていた。






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ー大まかなシナリオー

ジャキはクロノが生まれなかった世界、1050年に来ていた。ジャキが古代にてクロノ達に出会った歴史は成立しながら、未来ではクロノが存在していない状態が成立するβ世界線にジャキは関わる事になる。


〜まえがき〜

本文はプラス一万文字くらいあったのですがそのデータを無くしてしまい、殆どプロットのみの投稿になります。書く気力を無くしたのです。


ー本文ー

ジャキが到着した場所はルッカが作り出した海上工業都市である。海産物を缶詰にしたり冷凍加工して世界中に出荷するのを主産業として、都市を維持する為のインフラ製造や掃除ロボット製造、その他衣食住全般をフォローしている。

海上都市は地震や災害に対しシェルターにもなる設計で、将来的には戦争を想定して都市まるごとスーパーロボに変形して戦ったり、走って逃げる都市計画を構想している。

ジャキは缶詰め工場内部の受付ポイントから出現する。掃除ロボに興味を惹かれて弄っていると、工場長から社会見学者だと勘違いされる。

ジャキは鉄の生き物(ロボット)について工場長に問うが、知識格差が有りすぎて話が噛み合わない。工場長はロボットを作ったのがルッカだと言うと、ルッカの写真、若かりし頃を見せた。

ジール王国にてルッカの顔に見覚えのあったジャキはルッカに会わせる様に催促するが、ルッカは超有名人であり一般人が簡単に会うことはできないという。

しかし工場長はルッカの親戚であり、コネで会わせる事ができるという。だがジャキの無礼な態度を問題とし、大人の説教をして会わせなかった。

ジャキは魔法陣に隠していた鎌で脅すと、工場長は施設内のセキュリティシステムを作動させた。
ロボット達が一斉にジャキを取り囲むと網を飛ばした。ジャキは突然の事で反応できず動きを封じられた。
ジャキは電気や火炎、冷を込めて網を壊そうとするが、網は丈夫で壊れない。

工場長はジャキの能力を見て、他にも凶器を隠し持っていると思い、セキュリティレベルを上げた。
施設内のジャッターが降りて、催眠ガスでジャキは眠らされそうになる。
ジャキはバリアを張り、何事もなくやり過ごした。

警備隊が到着して、ジャキを取り囲むと、ジャキは電気ショックの魔法を浴びせて制圧する。

警備隊が倒れたところに、ルッカ特性の戦闘ロボが到着する。
ロボットが倒されると、ジャキは工場長の元へ行き、もう一度脅しにかける。

ルッカに連絡を取り次ぎジャキとルッカは対面した。

ジャキは過去のジール王国で出会った話をするがこの世界線ルッカジールを知らない。
ルッカは魔法もクロノもラヴォスも知らない。マールをタイムスリップして助けた事はあったが、未来や原始時代にも行く事はなかった。

共通に知っているのはタイムゲートの存在で、そこから話のすり合わせがはじまる。

ジャキが古代の時代に帰りたいのを理解したルッカはタイムマシンの研究を始めた。
ジャキが使う魔法の仕組みと科学を融合させれば可能性があると思い、ルッカはタイムマシンの研究を始めた。

飛行機タイプのマシンが完成し、ルッカとジャキは古代にタイムトラベルするが、その瞬間、時空の裂け目が開いて攻撃を受ける。

ルッカは咄嗟に元の時代に帰るが、元の時代ではなく、時の最果てへ行き着いた。時の最果ては時の迷い人が来る場所で、タイムマシンが故障したまま時超えしたのが原因だった。

時の最果てにはハッシュはいなかった。
クロノ達の世界線よりも50年進んだ時間軸の最果てであり、ハッシュは寿命で亡くなっている。スペッキオはハッシュ仕事を継いで時の迷い人を案内していた。

最果てのゲートは中世650年、現代1050年、未来2350年へと繋がっている。

スペッキオによると未来の世界は1999年にラヴォスにより破壊されていたが、ハッシュが亡くなった後に突如として世界が変化したという。

未来2350年に行くと、クロノ達の世界線とは違い、ラヴォスに滅ぼされていなかった。人々は皆カプセルの様なものに入り眠っていた。動いている者はロボットだけだった。
ロボット達はルッカ達を歓迎した。500年ぶりに生きた人間と出会ったという。

ロボ達は説明した。1800年に突如として全人類が意識を失いそのまま目覚めなくなったという。ロボ達はいつ人間達が目覚めても良いように都市を整備し、人々を低温保存し、身の回りの世話等をしていた。同時に人々がなぜ目覚めなくなったのか原因を調査していたという。

人間が意識を失った原因はラヴォスにあると感じたジャキ。2350年にはラヴォスの気配がなかったからだ。

ロボット達は時代を越えてきたジャキ達に望みを託し、自分たちも協力したいという。

未来のロボを仲間に加え、ジャキ達は真相究明の為に最果てに戻った。
1800年に行くには最果てから1050年のリーネ広場へ行き、そこからジャキによる擬似的タイムトラベルが必要になる。

ルッカはタイムマシンの整備に、ロボはその手伝いをし、ジャキは一人で擬似的タイムトラベルをした。

1200年までタイムトラベルしたとき、ラヴォスの気配が地中から外に這い出ている事に気付いたジャキ。

ジャキは空を飛び、気配の行方を追いかけると、ガルディア国首都、ガルディア王39世の邸宅にたどり着く。

セキュリティを突破して王に対面すると、王からラヴォスの気配がした。
ラヴォスが王に成りすましているのだと察知したジャキ。
ジャキに気付いたラヴォスはタイムゲートを作り、ジャキを永遠の時の狭間に追いやろうとしたが、スペッキオのチカラでジャキは時の最果てに飛ばされた。

ジャキはスペッキオの頭の上に落ちて助かる。

ラヴォスはガルディア王に成りすまして何をするのか。
未来で人々が意識を失うの事に関係があるのか。

ジャキが擬似的トラベルをしている間に、ルッカはタイムマシンの整備を終わっていた。
タイムマシンで1800年に行くと、そこにはジール王国の天空大陸を思わせる様な都市があった。
ジールとは違い、魔法では浮いていない。機械の力で浮いていた。

掘削機械が世界の各地にあり、それがラヴォス深層にまで掘られている。。数十のラヴォスがバイオ液に浸され、機械で繋がれている。ラヴォス達は天空都市の動力になる為にエネルギー奪われていた。
気配の性質が異なるのか、ジャキはそれらのラヴォスから気配を感じる事ができなかった。

案内センターによると天空大陸はいくつも層になっていて、中層には科学者の集まる都市がある。タイムマシンを普及した博士がいるらしくルッカはそこを尋ねた。

受付けにて、あぽナシでは通して貰えないものの、担当者はタイムマシンの始祖であるルッカだと気付き博士に取り次いでくれる。
博士はルッカ達を歓迎した。

ルッカはタイムマシンで過去に行こうとして攻撃された事を話した。。
博士によると過去を変える行為は、それがどれだけ小さな事象であったとして遠い未来へ大きな影響を与える。それゆえ、過去に行く事を心良く思わない者が多くいて妨害してくるそう。

過去に行けば無差別的に攻撃を受けるだろうが、ルッカが死ねば未来でタイムマシンが作られなくて、未来が大きく変わってしまいかねない。博士は時代を代表してルッカに謝罪した。

未来では全ての人間が意識を喪失しているのだと話すと、そんな未来は存在しないという。
確かめるとジャキ達が見てきた未来は既に大きく変わり存在せず、この天空大陸の平和な世界が維持されていた。

天空大陸の最上層、成層圏からラヴォスの気配を感じたジャキ。飛んで向かおとするが酸素の濃度の問題で空を飛んではいけない。

最上層に行くには、専用の飛行機で行くかワープシステムを使うしかなかった。ワープシステムの周りにはセキュリティロボが配備されていて、専用の飛行機の周りにもセキュリティロボが配備されていて、たどりつけない。

タイムマシンでセキュリティが配備される前の時代に向かうも、タイムマシンが追いかけて来てルッカ達を攻撃してくる。

時の最果てに逃れ、ジャキはもう一度1050年から擬似的タイムトラベルをする。今度はルッカとロボも連れて行く。

1200年にはもう一人のジャキがいて、ガルディア王に成りすましているラヴォスと対峙していた。そのジャキがタイムゲートに飲み込まれた後、ジャキとルッカラヴォスの前に現れた。


ラヴォスについて〜
ラヴォスは983年、クロノを身ごもった母の気配を感じると、クロノに殺される未来を予知してラヴォスの分身スパイを送り込み、ジナもろとも殺害した。

未来予知で死を知ったラヴォスはクロノを破壊しただけでは安心できなかった。クロノに代わる第二第三のクロノが人間世界から現れるかもしれないと恐怖した。

人間を抹殺しようと思うものの、何人殺そうが世界のどこか、宇宙のどこかに人間はいる。殺しても不安は一生解消されないと思ったラヴォスは、1200年に地表に這い出てきた。人間を侮れないと思っていたラヴォスは人間に敵意を向けられたくなかった。人間に成りすまして生きる為にガルディア王に寄生した。

ラヴォス自身も知らなかったが、他生物に長きにわたり寄生すると、その生物の思考に染まる性質を持っていた。人間に寄生し続けた事で、人間特有の孤独や寂しさを知り、生きる事がままならなくなっていた。

『人間よりも強いのに人間に殺される不安が解消されない』

不安を与える人間の存在に次第に人間への怨みを募らせていったラヴォスは人間として有りたい自分とラヴォスとして有りたい自分との境目で自我を保てなくなっていった。

ラヴォスラヴォスとして、また人間として生きたかった。全ての人間として生きたかった。

ラヴォスは人間と一つになり究極の生命体になろうと決意した。
全ての人間の意識を束て自分の精神と同化させる。その為の装置を作る必要があった。ガルディアの研究者達はラヴォスの意は汲み取らなかったが、ラヴォスの意に従う振りをした。

研究者達は【全ての人間の意識が一つになり融合する】事については、ある種の理想郷へ繋がるものと信じた。

研究者達は地球上の全ての人から意識を抜き取り束ねる機械を極秘に開発し、1800年に実行した。ジャキ達は未来2300年にてその成れの果てを見てきた。

だがジャキがタイムスリップしてラヴォスに会う事で状況が変わった。

ラヴォスの正体を知る者の存在ジャキ。ラヴォスが人間として生きる為には正体を知るジャキの存在が邪魔になると思い、咄嗟にタイムゲート作り追いやった。

だがラヴォスには疑念が残った。ジャキの存在は一体なんなのか。突然の事で思わず聞きそびれてしまったラヴォスはタイムゲートに乗り込みジャキの後を追った。
ラヴォスはタイムゲートの出口までは作る事はできない。時の狭間に追いやる力しかなかった。
ジャキは時の狭間の何処かに彷徨っているものだと思っていた。しかしジャキはスペッキオに救助され探しても見つからない。

1200年、ラヴォスは人間として生きる事に加え、、ジャキに対する疑念と共に生きる事になる。
ラヴォスはジャキが何処かの時代に偶発的にたどり着いかもしれないと思い、タイムマシンを開発させた。ガルディアの研究部は、ルッカの残した遺産の中に開発のヒントを見つけた。
ラヴォスは過去と未来を調べ、ジャキの気配が古代ジールと中世に存在している事に気付いた。
ジャキが自身と縁深い間柄なのだと気付くと共に、魔法技術を使いタイムトラベルしてきたのだと知る。

ラヴォスにも魔力はあったが、ラヴォスはその力を深くは知らなかった。
自身に備わる魔力についてガルディアの研究者と共に解明し、魔学と科学を融合してジール王国の様な天空大陸を作り出した。

【人間の意識を統一する】その様な野望が生まれる事のない世界が生み出されていた。
変わりに【今の超文明を失いたくない。誰かがタイムトラベルして歴史を変えたら困る】という信念の元、タイムマシンで過去の時代へ行こうするタイムトラベラーを阻止する様になる。
ジャキが古代ジールに関わりを持ち歴史を変えようとするのは判っていた。
ラヴォスの組織はジャキにスパイロボを取り付けて動きを監視していた。

ジャキとルッカはガルディア王に寄生したばかりのラヴォスに2度目の対面をしようとしていた。

ラヴォスはどうするべきか悩んだ。ややこしい事になる前に、二人を処分するべきかと考えた。
未来のラヴォスは人の心を持ち慈悲深くもなっていた。
ジャキをキッカケにして今の自分がある様なものであり、殺す事はもう考えられなかった。

ラヴォスルッカとジャキが1200年のラヴォスに会う直前、自分以外の空間を止めた。スロウを重ねかげして、ルッカとジャキをタイムマシンに載せ、天空大陸へと運んだ。

ラヴォスはジャキに敵意が無い事を伝えると共に、サラを助けてくれるという。
サラがラヴォスの災害に巻きこまれる前に未来の天空大陸に連れてきてくれるという。


〜BC12000〜

サラはラヴォスを覚醒させない様に魔力を注ぎこみ、制御しようとしていた。
そこへ幼年時代のジャキが現れラヴォスの生み出したタイムゲートに飲み込まれる。
ジャキが飲み込まれたショックでサラの集中力が途切れてしまう。ラヴォスはその隙に覚醒した。

クロノ達は覚醒したラヴォスと戦うも
ラヴォスの世界を破壊するエネルギーに巻き込まれ倒れてしまう。

クロノは消滅の攻撃を受ける。
時が止まる。
クロノトリガーが使われ世界の時間が止まっている隙に未来からマールが現れてクロノを救出して未来に戻っていく。

ラヴォスは破壊のエネルギーを使い尽くし、再び地殻を掘り地面に潜り込んだ。



サラは倒れているクロノ不在のメンバーにアレイズをかける。

ラヴォスが開けた地殻の穴がら溶岩が湧き出ている。海底神殿の天井からはラヴォスの光で穴が空き、海水が流入している。

ラヴォスは覚醒してしまい、魔神機はラヴォスからエネルギーをもう吸い取れず、海底神殿から地上に通ずる脱出口のテレポートシステムは機能しなかった。

サラは魔力を使い果たしていた。
サラは死を悟った。

サラは残された少ない魔力でクロノ不在のメンバー達を海底神殿からテレポートさせて逃がした。
自身は戻れる力は残っていない。


諦めたかけた頃、β世界線のジャキがタイムマシンで駆けつけた。

『姉様! 早く乗ってください!』




『あ、あなたは!? まさかジャキ!?




『急いでください! ここはもう直ぐ…』

サラが呆然としていると、ジャキはサラを抱えてタイムマシンに乗せる。


その瞬間、溶岩に飲み込まれる海底神殿。


海水と溶岩が混じり合う頃、ジールはラヴォスの力を借りてバリアに守られていた。

ジールの不老不死への執着、思念がラヴォスエネルギーを引き出す事に成功していた。ラヴォスジールの執着の中にラヴォス自身を守ろうとしてくれる優しさを見つけ、共鳴していた。ラヴォスにとって誰にかに守られる感覚は始めてで新鮮だった。

望みどおりに不老不死に必要なエネルギーがジールに貯まる。

ジールは余ったエネルギーをラヴォスを守る為の防衛要塞を作ることにした。
神殿に術式を描き、神殿を浮上させる。

空に浮かびラヴォスを護る黒の夢になる。

ジールは蘇ったクロノとそのメンバーが倒すが、ラヴォスジールを消された事に怒りを覚えた。
クロノ達に戦いを挑むべく、海面からジャンプしてくる。

ラヴォスは戦いの末、倒されて海底神殿と共に海に落ちていくが、クロノ達は、ラヴォスの気配が全く死んでない事に違和感を覚えた。ラヴォスの目から内部に入り、海水が流入しない様にバリアで蓋をした。



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この後ラヴォス本体は倒されるが、この出来事を察知したラヴォスは983年のタイミングでクロノを抹殺した。

クロノは生まれては来れず、古代でジャキには会えない筈だが、その事象に関係なく、ジャキとクロノ達は会う歴史が成立した。過去に戻りサラを救う事もできた。

【クロノ達がラヴォスを倒した世界線a】

ラヴォスがクロノを殺した世界線c】

aとcが同時に成立しつつ、古代の世界でのみaとcの世界線が重なり合う不思議な世界。それがβ世界線である。



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■中世650年



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中世650年


〜あらすじ〜
最果てのゲートから中世650年。魔族は衰退し、人間による魔族狩りが横行していた。

本文

『嘘でしょ伯父さん!』

サイラスが魔王に殺されなかった世界線。グランドリオンと勇者バッジはサイラスの遺産として子孫に受け継がれていた。

「魔族が悪さしてたのは昔の話だ。今はこんな剣、大事に持ってても宝の持ち腐れにしかならないんだよ」

「だからって売らなくってもいいだろう?
サイラスの子孫がカネに困ってるなんて思われたら当家の恥だよ」

「世間体なんて知るかよ! オレは売ると決めたんだ。」

「カネに困ってるならオレが貸すから!」

「うるさい! 相続権はオレにある。部外者が口を出すんじゃない!」


グランドリオンはオークションに出品された。落札したのはどこぞの金持ち親子だった。

親子は魔族狩りを楽しむ為、魔王城跡地の森へと向かった。

ジャキはオークションを見学に来ていた。
グランドリオンから懐かしい気配に誘われる様にそこにいた。

ボッシュは赤い剣(グランドリオン)を錬成する際、自身の魔力を注ぎ込んでいた。そのボッシュの魔力の気配を感じてジャキはオークション会場で立ち止まっていた。

ジャキはグランドリオンの行方に誘われる様に親子の後を追いかけた。

親子は魔物が潜むかもしれない森にずかずかと入り込んでいく。グランドリオンさえあれば怖い物はないと思っているのだろう。

ジャキは森の中の気配を探した。
魔物が1体近くに潜んでいる。
だが魔物は親子を襲うつもりはない様で、隠れてやり過ごそうとしている。

親子に黒い風が漂うなら助けるのもやむ無しと思っていたジャキ。

親子が諦めて帰った後、魔物はゆっくりとジャキの前に姿を表した。

どことなくビネガーに似た風貌の女の子だった。

「あなた…人間に似ているけど人間じゃないわよね…。魔力の気配あるし…」

ビネガーに気配が似ている気がした。ビネガーの子孫なのだろうか?

「え? 貴方、おじいちゃんの事知っているの?」


「昔、世話になった…。」


ジャキにとってビネガーはこの世界で最初に出会った魔族だった。
ラヴォスゲートに飛ばされて直ぐ、人間に間違われ、目の前にいたビネガー率いる魔族達に襲われた。

魔法を使って応戦した事で直ぐに人間ではない事が伝わり、争いは避けられたが、ビネガーは魔法の存在に強く興味を示し、ジャキを魔王城へと招いた。

ビネガーはその頃の魔王でマヨネーやソイソーとはまだ手を組んでいなかった。

低級魔族のみを支配下に置いていたビネガーは人間世界に攻め込む為の人材を集めている最中だった。

ビネガーはジャキのチカラを研究すると共に、将来魔族の役に立つと思い魔王城に住まわせた。

ビネガーによるジャキへの待遇は悪くなく、ジャキは生活の雑務の殆ど城の使用人に任せて、サラを探し回った。

人間の村へサラを探しに行くと、ジャキの耳のカタチが尖っていていたのが原因で魔族に間違えられ、人間に襲われる経験をしたジャキ。
ビネガーはそんなジャキに「お前の姉上も人間界に居場所はないだろう」そう言って、姉探しを諦める様に促した。

ジャキもビネガーの言葉に一理あると思った。姉がこの世界にいるとすれば人間界ではなく、自分の様に魔族世界で保護されているだろう。魔族王ビネガーの情報網に頼る方が懸命だと思い。人間界でのサラ探しを諦めると共に、過去に帰る為の魔術研究に没頭した。

ビネガーはその研究を人間に戦争を仕掛ける為のものだと思い、ジャキを温かく応援してくれた。ジャキはそんなビネガーを裏切り、未来へと飛んでしまった。
そうしてビネガーの子孫に出会ったジャキ

「昔、世話になった…。」

「名前はなんていうの?

「…ジャキだ。」

「ふーん、ジャキ君ね。私の名前は…」


『そこの少年! 化物に手を焼いているなら私が手を貸そうか?』

さっき帰った筈の親子だった。親はグランドリオンを構え、こどもの前で魔族狩りの手本を見せようとしていた。


少女は戦闘態勢に入り、蹴りを手首に攻撃し、親子を追っ払った。

「あのまま帰してもいいのか? あの親子、人を呼んでくるぞ」

「そうだよね…。でも親子連れだし、あまり酷いことはしたくないし…」

居場所がバレたから魔族狩り目的の人間達が押し寄せてくる。どこか逃げられる場所はないのか?

「東の大陸に魔族達が住む村があるという噂を聞いたけど、でも私、泳ぐの苦手だし…」

ジャキは少女を抱えて空を飛んだ。



最果てのゲートから1050年。ジャキはふと立ち寄った店でビネガーに似た少女がレストランでウエイトレスをしているのに気付いた。

400年の間に何があったのか判らないが魔族への偏見は無くなっていた。

ウエイトレスがジャキを見て話しかけた。絵の中の人にそっくりだとという。

ウエイトレスによると、昔、一族祖先を守ってくれた魔族がいたという。先祖は助けてくれた恩人を忘れない様にと絵を書いたという。その絵は代々伝わり、今でも家に飾ってあるという。

ジャキは自分とそっくりなその絵を見せてもらった。

絵には少ないが魔力が残っていた。400年前に助けただろう少女の気配。
ジャキはしばらくその絵を眺めた…







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■古代ダルトン王国



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サラを助けた後、古代ジールの行く末がどうなったのかを確認に向かったジャキ。

崩壊した筈の天空都市は再建され新たな国王はダルトンになっていた。

天空都市の動力源は太陽石である。崩壊と共に海に沈んだものを回収し、再運用していた。

相変わらず魔力無き人間は差別され、地の民と天の民は別けられていた。

太陽石の仕組み上、太陽に近ければ近い殆、エネルギーが得られる。ダルトンは事業拡大の為に、天空都市を遥か上空、成層圏まで登らせた。

空気の薄さの問題は都市にバリアを張り空気を溜め込む事で解決された。

ラヴォスの光で古代人の多くが死滅し、天空都市の住人は少数だった。皮肉な事に太陽石のエネルギーは多く余り多様な用途へと使う事ができた。

無重力の宇宙空間にまで出てしまうと、大陸の重さを支えるエネルギーは不要になり、代わりに宇宙空間の絶対0度に対する気温調節にエネルギーを割り当てる様になる。

ダルトン王国はエネルギー不足を回収する為、太陽へより近づいていった。

こうして魔法が使える古代人は地球からいなくなり、魔力の無い人間と、生まれたばかりの魔族達が繁栄した。



〜原始時代について〜

慈悲深さを知ったラヴォスは、自分のせいで恐竜人が絶滅した事を悔やんでいた。
氷河期が来る前に、恐竜人をタイムマシンに乗せ、未来へ連れて帰る計画をたてた。

ラヴォスとその研究者達は恐竜人をどうやって管理するかを悩んだ。
教育や職業を割り当てるにしても、課題は多くある。
ひとまず、軍人として雇い、国の防衛に当たらせる事にした。

天空都市を浮かせる機械。そこを壊されると困るシステムになっていた。
これまではロボットによるセキュリティシステムを配備していたが、常駐してロボットをメンテナンスする者や非常時に動ける人材がいなかった。

地殻に眠るラヴォス達から効率良くエネルギー取り出す為に、掘削作業員も必要だった。
ラヴォスを目覚めさせない様に監視したり、部外者を排除する為の人材が必要だった。
竜人にそれらの仕事を与える為、ラヴォスは奮闘した。



〜DC600〜
ジャキはタイムマシンにて、中世の世界を見てまわった。

ソイソーはデナドロ山で修行をしていた。
グランとリオンの精霊に戦いを挑み鍛錬していて、デナドロを住処にしている魔族はソイソーの剣技に憧れを持ちソイソーに弟子入りしていた。

マヨネーはパリポレの村で人間に化けて男をはべらせていた。

ビネガーは人材集めの為、二人を誘うが、二人は人間との争いに興味を示さなかった。

落ち込んでいるビネガーにジャキは声をかけた。

「お、お前はまさかジャキか?」

ビネガーの視点においてジャキは突然消えた存在。20年間行方不明扱いにされていた。

「一体今までどこに…。いや、それより20年も経っているのに姿が変わってない??」

「とにかく、戻ってくれたのだな。さあ、一緒に人間界に攻め込もうではないか!」

「え! 断る!? 突然居なくなって申し訳ないから、挨拶だけはしとこうと思ってやってきただと!?」

「恩知らずがー!」

ビネガーはキレてジャキを襲ったが、返り討ちに。

ジャキ「いい忘れたがオレは人間だ。魔法が使える少し変わった人間なんだ。人間を甘く見ない方がいいぞ…

ビネガー「人間…に負けたのか? 私は…

ジャキ「人間に勝てないのに人間界に攻め込むつもりなのか?」

ビネガー「人間支配は魔族の悲願。諦めるつもりはない」

ジャキ「ならなぜ力ずくで従わせないのだ? お前は今、私を力ずくで従わせようとした。あの二人に戦いを挑んで従わせればいいだろう?」

ビネガー「ソイソーとマヨネーの事か…。アイツらは強い。まともにやりあえば私も向こうも無事では済まないだろう」

ジャキ「…お前の野望とはその程度なのか…

ビネガー「何が言いたいのだ?

ジャキ「私に戦いを挑んだのは、私を下に見ていたからだろう? 下にいる者にしか戦いを挑まないのなら、自分より強者が現れたらお前は部下を見捨てて逃げるのではないか?」

「お前なら部下を見捨てる様な者の下に就きたいと思うか?」

ビネガーは気付いた。弱い者にしか戦いを挑まない腰抜けなんかに部下はついてこない。

ビネガーはソイソーに戦いを挑んだ。

ソイソーの攻撃にバリアを張る。

ビネガーはバリア中は動けなかった。ソイソーはビネガーを無視した。

ビネガーが骸骨兵士を操り戦いを挑んだ。

骸骨を操っている間はバリアができなかった。

ソイソーはその隙をついてビネガーを倒した。

ビネガーは一旦ソイソーを諦め、マヨネーを狙ったが、精神攻撃で混乱させられて相手にすらならなかった。

ジャキはビネガーの戦いを見届けていた。


ビネガーは何度も戦いを挑んでは負ける日々を繰り返した。

ソイソー「ビネガー! お前しつこいぞ! 諦めない根性は称えるが、礼儀しらずだそ。」

マヨネー「あんたもう私のストーカーやめなよ。あたしは誰にも従わないんだから!」


ある時、ビネガーは提案した。

「ソイソーよ…。強い剣士と戦いたいのであれば、山に篭もるよりも、人間と戦って名を上げた方がいい。向こうの方から強い剣士がやってくるぞ…」

ある時、ビネガーがマヨネーに提案した。

「マヨネーよ…。こんな辺境な村ではなくガルディアの地にはもっとイケメンがいるぞ。一緒にガルディアに攻め込もうではないか…」


こうしてビネガーは二人を仲間に引き入れた。人間と魔族のパワーバランスは整い、長い戦乱の世が続いた…




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